ルイ・ヴィトンが低迷する一方、なぜエルメスは躍進するのか – ブランドサイト

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高級ブランドが低迷する「構造的問題」

年末年始は自分へのご褒美と称して、高額なブランド品につい散財してしまいがちな時期でもある。だが今期は、懐の寂しさから購入を慎んだ人も多かったかもしれない。

米コンサル大手ベイン・アンド・カンパニーは、2024年の個人向けラグジュアリー市場の成長が前年比2%減と、2008年以降で初めてマイナスに転じると予測した(コロナ禍の2020年を除く)。

こうした動きは、昨今の世界的なインフレと不安定な国際情勢を反映したもので、一時的だと多くの業界関係者は見ている。だが米誌「フォーブス」は、「これはラグジュアリー業界が自ら作り出した構造的な問題によるものだ」と指摘する。

同誌がその理由のひとつとしてあげているのが、中国市場への過度な依存だ。

中国経済の不振は意外に根深く、不動産市場の低迷はそのごく一部でしかないとフォーブス誌は分析する。アリババの創業者ジャック・マーが中国当局を批判して失脚して以来、国内の経営者は自社を成長させすぎて悪目立ちし、習近平国家主席の標的になることを恐れているという。

さらに1月20日に米大統領に就任するドナルド・トランプは、かねてから中国製品に高額な関税をかけると表明しており、中国経済が大きく復活する道筋は見えていない。

英誌「エコノミスト」は、中流層向けの商品展開を要因にあげる。近年、多くのブランドが顧客層を広げるため、低価格の商品を拡充してきた。ルイ・ヴィトンは500ドル以下の小型革製品の販売を増やし、グッチも200ドルで買えるソックスを売り出している。

大手経営コンサルのボストン コンサルティング グループによれば、ラグジュアリー市場の売上高の3分の2は、その商品やサービスに年間2100ドル(約33万円)以下しか費やさない顧客によるものだった。だが、世界的な景気低迷とインフレにより、とくに欧米の中流層の消費が失速している。

ルイ・ヴィトンなどを傘下に持つLVMHの2024年第3四半期の売上高は、前年同期比3%減の190億7600万ユーロ(約3兆1000億円)で、コロナ禍だった2020年以降初めて減少した。こうした状況を受け、LVMHの株価は11月中旬に20%下落した。同時期にロレアルも23%、エスティ・ローダーも40%株価が下がるなど、不調は業界全体に広がっている。

この一方で、エルメスやプラダのように好調を維持するブランドもある。

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